GEAR騎士凰牙
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GEAR戦士電童サイドストーリー 『C-DRiVE ラジオデビュー!!』

<ユキの憂鬱>

「番組の収録も3回目、みんな慣れてきたのかな。
打ち合わせのときも、ずいぶんとうちとけた雰囲気になってきたみたい。
こうなると、やりやすいなぁ。
最初はみんな難しい顔して、ウンウンうなってたもん。
私なんて、その雰囲気だけで困っちゃうよ。「コーナーも決まって、ハガキもこんなに来てるし。うん、順調順調」
古里さんもご機嫌で、ニコニコしてる。
島田さんは、「まだまだ危なっかしくて……」って、心配そうだけどね。
でも。
安心しちゃうと、失敗しちゃいそうなんだよなぁ。
サキちゃんやミキちゃんは「安心しなくたって、ユキはおボケだからさー」なんて言うけど。
そんなにボケてないよねぇ、私……。
こんな感じに慣れてきた中でも「初めて」はあるわけで。
今日から、電童応援コーナーが始まる。
さっそく届いたハガキを見てみたら、「オレが電童のパイロットだ」とか「実は電童のパイロットは……」とか、みんな、ウソばっかり。
なんだかちょっと、ガッカリだなぁ。
もっと、電童に関する心温まるエピソードとか、応援メッセージとか、そういうハガキがくると思って期待してたのに。
みんなは「オカシー」とか言って笑って読んでたけど。
私、考えすぎなのかな?
そんな気持ちでほかのハガキを見てたら、銀河くんのハガキを発見。
この前とまったく同じこと、同じように書いてきてるから、ちょっとふきだしちゃった。
ふたりには見つからずにすんだみたいで、ちょっと安心。
頑張ってるかなぁ、銀河くん……。
最近、またメールがくるようになったけど、やっぱりなんだかぎこちない文面で。
あいかわらずだなぁって、微笑ましくなっちゃうんだよね。
思わず、クススって笑っちゃったら。
「あ〜、ユキ。またなにか見つけたの?」
「うふふ、今度は思い出し笑いかな?」
「あ〜、それもありそう。あはは〜」
「ひっど〜い、ふたりとも……」
結局見つかっちゃって。
なんかすっごく恥ずかしかったなぁ、もぅ。
でも、ちょっとだけ。
楽しい番組ならいいのかなって思えたから。
これからも、頑張れそう。
うん、今日も、頑張るぞ。

<プロモーションも、たいへんだ>

エリスがオカンムリということなど露知らず、銀河はラジオにご執心。
3回目ともなると、もう慣れたもので。
毛布をかぶって完全武装、音モレ対策もばっちり、といったところ。
『CM関係も、おもしろいこと多いよね』
『CDシングル発売の時は、取材に来た記者さんたちが、CM用にって応援メッセージを入れてくれたし』
『なんか、半分ファンの人みたいだったよね。あわててセリフかんじゃったり』
『逆に妙に手馴れてる人とかいて、変な気分だったりして』
『そうそう、声がいいんだよね、声優さんみたい』
「お、おれも出る! 北斗の父ちゃんに頼んで、どうにかならねぇかなぁ……」
こういうときは頭の回転が速いようで、勝手に計画が進行している様子。
『新曲のプロモーション撮影も、おもしろかったよねぇ』
『そうそう、この時期に水着って聞いたから……』
『てっきり海外で撮影!だと思ったのに。……ねぇ?』
「え、あれって、海じゃなかったのか?」
『スタジオに連れて行かれたときは、なんでー?って思わず叫んじゃったもん』
『ハイ、そういうわけで。あのプロモ映像、実は合成でした〜☆』
『でもでも、おもしろかったよねぇ』
『青い紙の前に立たされて、「ハイ、ここは太陽の降り注ぐ南の島の海岸です〜」って』
「青い紙……? 変なの、どうやったらあぁなるんだよ」
おそらく説明されてもわからないことにも、しっかり疑問を投げかけるあたり、ホントに律儀である。
『最初はどうすればいいのよ〜って、困っちゃったけど』
『いろいろ言われてるうちに、けっこうその気になっちゃって』
『カメラマンさんて、その辺うまいよねぇ』
『うん、おかげですっごく楽しく撮れた』
『あとで映像見せてもらって、ビックリしたよ』
『ぜんぜん違和感ないんだよね、スゴイなぁCGって』
「うんうん、オレも気づかなかった、スゲーなぁ、シージー」
『今度はロケに行きたいね、今の季節なら……スキーとか?』
『あー、いい! 島田さんにお願いしちゃおう』
『写真集とかかな? お仕事、待ってます☆ あははは〜』
「スキーかぁ、オレも行けるように、今から用意しておかないと……」
いつのまにか、さらなる計画が進行した模様。
一途にファンでいようというあの誓いは、しっかり実行されているのであった。

<ミキの「おやすみなさい」>

どうにか、3回目の収録も終わり。
みんな慣れてきたみたいで、苦労は少なくなったけど。
そろそろおもしろい話題も、用意してこなきゃ大変になりそう。
写真集、なんて冗談で言っちゃったけど。
ラジオだけじゃなくて、ほかの仕事もどんどん増えてくるといいと思う。
歌でも踊りでも、それ以外でも。
私たち、「C−DRiVE」を、表現していきたいから。

これからも、C−DRiVEのリーダーとして頑張らなきゃ。
サキと、ユキと、3人で……。


<そして、朝の風景>

「おーっす、北斗!」
晴れ晴れとした空と、晴れ晴れとした笑顔。
「おはよう、銀河。今日はずいぶんご機嫌だね」
「そりゃな、なんてったって……」
「ちょっと、アンタたち!」
銀河の笑顔も空の青も、全部まとめて吹き飛ばさん勢いで、それはやってきた。
今朝の女神さま、たいへんご機嫌斜めな様子。
「お、おす……」
「お、おはよう、エリス。どうしたの、そんなに怒って……」
「どうしたもこうしたもないわよ! アンタたち、知ってて黙ってたわね?」
ふたりとも、なんのことやらさっぱりわからない。
「知っててって、なんのことだか……」
「いいからちょっと来なさい!」
引きずられるように連れて行かれるふたり。
「ちょっと、エリスってばぁ……」
「昨日、聞いたわよ」
周りを気遣うように、ちょっと声を落としてエリスが切り出す。
「聞いたって、なんだよ?」
「ラジオよラジオ。電童のパイロットを探すとかなんとか言ってたじゃないの!」
声は小さくても迫力充分なエリスに気圧されつつも、やっと合点がいった様子で。
なぁんだ、という風に顔を見合わせたふたり、声をそろえて。
「だいじょぶだって、見つかったりしねぇよ」
「大丈夫だよ、エリス。僕たちだって普段から気をつけてるし、GEARのみんなも……」
「どーしてアンタたちって、そうオキラクなのかしら? そもそもねぇ……」
眉間にしわを寄せ、頭を抑えながら、エリスがお小言を始めんとしたそのときに。
銀河と北斗、こそっと目配せ。
せーの、で一気にダッシュする。
「おおっと、こんなことしてる場合じゃねぇ。学校遅れちまうよ」
「ははは、早くしないと遅れるよ、エリス」
「こ、こら〜、待ちなさい、待ちなさいってばぁ!!」
笑顔で走っていくふたりを、あわてて追いかけながらも。
だいじょぶかも、と思っちゃうあたり、ふたりに影響されちゃったかな。
そんなことを考えて、なんだかんだでエリスも笑顔。
空はどこまでも高く、青く、晴れ晴れと……。

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story by Shin Wakutsu
※文章は当時のものです。

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