GEAR戦士電童サイドストーリー『C-DRiVE ラジオデビュー!!』

<ある朝の風景>
螺旋城の攻防から数日後。
以前と変わらぬ、平和な朝のこと。
仲良くおしゃべりしながら登校する小学生の列の間を、イガグリ頭の少年が勢いよく走ってくる。
お~っす、北斗。なぁなぁ、知ってるか?」
穏やかで育ちの良さそうな顔の少年のそばを走り抜け、くるりと向きを変えた少年は、息を弾ませ嬉々とした顔で声をかけた。
おはよう銀河。どうしたの、慌てて」
北斗、と呼ばれたその少年は、にっこりと笑って応じる。
C-DRiVEだよ、C-DRiVE。ユキちゃんのラジオが始まるんだよ!」
それ以外に、いったいなにがあるんだと言わんばかりの銀河に、またかという顔で眉間にしわを寄せる北斗。
……ほんっとに好きだよねぇ、銀河」
おう! ユキちゃんのためなら、オレ、なんでもしちゃう~」
身体をくねくねさせ、1人で盛り上がる銀河を横目に見て、はぁーと大きくため息。
漫画を見る2人とも、なに朝から騒いでんのよ、もぅ」
銀河について同じ感想を持つ人間が、もう1人。
2人の後ろに、両手を腰にあてた紅い髪の活発そうな女の子が、呆れ顔で立っている。
おはようエリス、いや、銀河がね……」
おす、エリス。なに騒いでるって、これが騒がずにいられるかってーの。C-DRiVE! ユキちゃんのラジオだよ、ラジオ!」
ちょっと困った顔で切り出した北斗をまったく気にすることなく、挨拶もそこそこに銀河がまくしたてる。
……はいはい。ラジオの次は、TVドラマ。その次は……映画ぁ?」
呆れるのに飽きた、そんな表情でエリスがつぶやくと。
漫画を見るおぉ! そうか、次はTVかぁ! うひゃあ、スゲーー!」
北斗とエリス、きょとんとしてお互いの顔を見合わせ、大きくため息。
そんな2人にはまったくお構いなく、盛り上がったままの銀河が続ける。
でさぁ……、オレたち、螺旋城、倒したんだよな?」
唐突なひとことに、さらにきょとんとする2人。
そうだよね、ガルファを……」
……倒したことになるのかな、とりあえず?」
銀河の言いたいことがなんなのかわからず、2人は戸惑いを隠せない。
だよな。ってことはさぁ……」
上目遣いに2人を見る銀河。
しばらくはナンノコトヤラという表情で顔を見合わせていた2人だが、一瞬ハッとして、次の瞬間にゲンナリ。
もはや処置なしという表情で視線を交わすと、ガクッと肩を落とし、どちらからともなく口を開く。
……ユキちゃんとの、メール?」
……はいはい、始めていいわよ。まったく、こういうことばっかり気がまわるんだから、銀河は」
いやっほぅ~~! ガルファはやっつけたし、ユキちゃんのラジオは始まる、メールも復活。今日はいい日だ!!」
そう言って、いきなり走り出す銀河。
あ、銀河、ちょ、ちょっと……」
待ちなさ~い、銀河!!」
へっへ~だ、トロトロしてると、おいてくぞ!」
つくづく単純明解な友人の後ろ姿に、ちょっとした幸せを感じながら。
2人もその後を追って走り出した。
story by Shin Wakutsu
※文章は当時のものです。

